そんなある日、朝方部屋に帰ると――。
「え……これは……いったいどういうことなの……?」
部屋の中が荒らされているではないか。
(陛下に昨晩借りた書簡……!)
心配になって探すと、ちゃんと枕元に置いてあった。
「良かった……」
ほっと安堵したものの、不安は募っていく一方だ。
「いったいぜんたい誰がこんなことを……?」
その時――。
「どうせ、すぐに飽きられてしまうわ」
女性の声が聞こえたかと思うと、すぐに姿を消したのだった。
陛下からの夜の呼び出しが増えれば増えるほど、妃嬪達からの嫌がらせは増える一方だった。