白虎帝の寵姫



 そんなある日の朝方、部屋に帰った私は仰天した。

「え……これは……いったいどういうことなの……?」

 部屋の中が荒らされているではないか――!

(陛下に昨晩借りた書簡……!)

 心配になって探すと、ちゃんと枕元に置いてあった。
 書簡を抱き抱えると、ホッと安堵する。

「良かった……」

 けれども、不安は募っていく一方だ。

「いったいぜんたい誰がこんなことを……?」

 嫉妬渦巻く後宮だ。
 心当たりなんて星の数ほどいると言っても過言ではない。
 ガタン!
 屏風が倒れる音がする。
 ハッとしてそちらに視線を向ける。

「どうせ、すぐに飽きられてしまうわ」

 女性の声が聞こえたかと思うと、すぐに姿を消した。

(あの声は……)

 私は書簡を抱きしめる力を強くした。
 その後、陛下からの夜の呼び出しが増えれば増えるほど、妃嬪達からの嫌がらせは増え続けていくのだった。