つん、とつつけば、優しく愛らしい感触が指先に残る。

これは、永遠に触れていたくなるな……。

と、まろやかな白餅にするように、つい悪戯に摘んでしまうと、

「ん……」

可愛い声を漏らして、鼓水が身じろぐ。
慌てて手を引っ込めた。
すぐにすやすやと寝息が聞こえてきた。

湖底に広がる我が屋敷に届く日差しにも、夏の訪れを感じるようになってきた。
細やかに気遣って私に尽くしてくれている鼓水だったが、縁側にそそぐこの日差しの心地よさには敵わないらしく、こうして時折、子猫のように眠りこけてしまう。

白い肌に微かに桃色が差している。
規則正しい寝息が微笑ましい。
なんともあどけなくて、尊ささえ感じる。

柔らかな髪を、湖底の冷気をはらんだ風が揺らすと、小さな果実のような唇が微かに動いた。
私は纏っていた羽織を脱いで、鼓水にそっと掛けた。

「……うん」