「今日はおつかれ様、ゆっくり休めよ」

「うん、彰もね」

見上げれば、さっきまで星が輝いていた夜空は、灰色の雲に覆われている。

「一雨きそうだね」

「うん……」

「美紀子さん夜勤だよな、何かあったら連絡くれたら、すぐいくから」

砂月は、小さく頷くと、おやすみと手を振った。

俺は、シャワーを浴びてジャージからスウェットに着替えた。父さんは今日も神社に泊まりだ。一人で過ごす部屋は、外の音がやけに響く。

「降り出したな」

自室の窓のカーテンを開ければ、さっきの綺麗な夜空とは、相反して、土砂降りの雨が降っている。

砂月の部屋は、カーテンが閉められていて暗い。もう眠ってしまったのかもしれない。 

耳を澄ませば、すぐ近くから、ゴロゴロと小さく雷の音が聞こえた。

俺は慌てて、スマホを確認する。 

ーーーー砂月は、雷が大の苦手だ。