俺は、一瞬空を見て、それらしい返事を考える。
「髪染めんのやなんだよな、俺」
「え?」
砂月が、目をまんまるにして俺をみた。
俺は、中学卒業のその日に、15年間お世話になった黒髪を辞めた。
「体育会系のクラブってさー、何かお堅いつーかさ、谷口先輩からも入部もしてねーのに黒く染めて来いって言われんだよね。めんどくせー」
「どうして金髪にしたの?」
「そんなの決まってんだろ、反抗期」
結構、真面目に言ったつもりが、砂月は、あははと笑った。砂月は、よく笑う。砂月の笑顔を見るだけで幸せな気持ちになる。
「隆おじさん、何も言わなかった?」
「言わねーよ、どうせ高校卒業したら黒染めして神主するんだからさ、せめてもの反抗の意を込めて金髪」
「じゃあ、私も彰とお揃いにしよっかな」
満面の笑顔で、こちらに、にこりと笑う砂月に俺の心臓がとくんと跳ねた。
「さ、砂月は反抗なんかしなくていいんだよっ!それに黒だろ、女は!」
ーーーー違う。他の女の髪色なんて心底どうでもいい。黒髪にふわふわの長い髪の毛の砂月が、俺は好きなんだ。
「そうなの?」
きょとんと見つめ返されて俺は、何だからよくわからないけど、急に恥ずかしくなって、そっぽを向いた。
そんな俺を眺めながら、砂月は、春風にふわふわの髪を靡かせながら、クスリとまた笑った。
「髪染めんのやなんだよな、俺」
「え?」
砂月が、目をまんまるにして俺をみた。
俺は、中学卒業のその日に、15年間お世話になった黒髪を辞めた。
「体育会系のクラブってさー、何かお堅いつーかさ、谷口先輩からも入部もしてねーのに黒く染めて来いって言われんだよね。めんどくせー」
「どうして金髪にしたの?」
「そんなの決まってんだろ、反抗期」
結構、真面目に言ったつもりが、砂月は、あははと笑った。砂月は、よく笑う。砂月の笑顔を見るだけで幸せな気持ちになる。
「隆おじさん、何も言わなかった?」
「言わねーよ、どうせ高校卒業したら黒染めして神主するんだからさ、せめてもの反抗の意を込めて金髪」
「じゃあ、私も彰とお揃いにしよっかな」
満面の笑顔で、こちらに、にこりと笑う砂月に俺の心臓がとくんと跳ねた。
「さ、砂月は反抗なんかしなくていいんだよっ!それに黒だろ、女は!」
ーーーー違う。他の女の髪色なんて心底どうでもいい。黒髪にふわふわの長い髪の毛の砂月が、俺は好きなんだ。
「そうなの?」
きょとんと見つめ返されて俺は、何だからよくわからないけど、急に恥ずかしくなって、そっぽを向いた。
そんな俺を眺めながら、砂月は、春風にふわふわの髪を靡かせながら、クスリとまた笑った。