翌日も、俺たちは、また二人揃って学校を休んだ。駿介からラインがきていたから『俺も砂月も大丈夫だから』と返事した。

駿介は、俺と砂月が、昨日一緒に登校しなかったのは、自分にも非があると感じていたようだ。一見、遠慮もデリカシーも何も無いように見えて、律儀な奴だと思う。

「おまたせ」

見慣れない淡い水色のワンピースに、シンプルな黒のペタンコ靴を履いた、砂月の姿に、朝から、目のやり場に困った。

「彰、どうかな?」

砂月が俺の目の前で、くるりと回る。

(やっば。めちゃくちゃ可愛い)

裾が秋風を孕んで、砂月の膝が見え隠れする。
一瞬で、俺は顔が熱くなるのが分かった。

砂月のスカート姿なんて、制服含め、何千回も見てるのに、色とデザインが違うだけで、こうも胸が騒がしくなるのは何故だろうか。

俺は、何だか、(よこしま)な気がして、慌てて心の隅っこに、くしゃくしゃに丸めて、蓋をした。

「……変、かな?」

「べ、別にっ、制服着てなきゃ問題ねぇだろ。大学生のフリ、すればいいだけなんだからさ」

不自然に、目線をずらした俺を気にとめずに砂月がそうだよねとニコリと頷いた。