「……でもっ」

「だめだ!こればっかりは譲れない!お前が変な目で見られるかもしれねーんだぞ!おかしなこと言って、警察呼ばれたって仕方ないんだぞ!」

「私はっ、私は平気だもん。変な目で見られたって平気だもん!」

俺の目を、ちゃんと見ながら、珍しく砂月が感情的になっていた。

「彰……だからっ」

「砂月!俺は!お前が、憑かれるの見んの、もう嫌だっつってんの!」

砂月は、しばらく俺の目をみていた。

時折、涙が溢れそうになる度、俺に見られないように横を向いて手で拭った。何度も何度も拭ってから、砂月は、再度真っ直ぐに俺を見た。

「……私が……憑かれる度に、彰に祓ってもらうこと、いつも……申し訳ないなって思ってるの。だって彰の時間を貰って、側に居てもらって……。彰だってやりたいことあるはずなのに。……今までだって、私のせいで……」

「違ぇよ!そういうこと言ってんじゃねぇよ!」