「黎のばか……」
非難の声も小さくなる私の機嫌をとるように、黎が頭を撫でて来た。
「真紅」
「……なに」
「可愛い」
「………ど、どうしたの? 急に」
いきなりそんなことを言われて戸惑うけど、黎は楽しそう。……からかわれている?
「いつも思ってることだけど?」
「~~~~。………黎は心臓に悪い」
「真紅が可愛い方が悪い」
「だ、だからぁ! そういうこと、さらっと言い過ぎ!」
「言わない方がいいのか?」
「そういう……わけではなくて……」
「やっぱり可愛いしかないだろ」
「も~~~」
……こうやって。
手を繋ぎながら、なんでもないことを楽しく話しながら、隣に居て、時々目を合わせて、ずっと大すきの気持ちで。
………同じ時間を、この先も。
END.