「ハート満載って……」
否定出来なかった。たぶん、ハート散りまくっていたから。
「ん、紅、聞いたって何を? 海雨の様子がおかしかったわけ、知ってるの?」
《あ、はい。澪様が海雨様に交際を申し込まれたのです。海雨様はそれをからかわれてると取ってしまったようで、あのように混乱されておいでだったのです》
「――――」
さーっと、全身から血の気が引いた。
《巫女様? どうかされ
「行くよ!」
言うなり、走り出した。
《み、巫女様っ? どこへゆかれるのですっ?》
紅は振り落とされないように肩にしがみつく。
「小埜の家!」