~side???~
「なんとか助かったな……。」
男は先ほどの魔物の襲撃を受けて生き残ったものたちに独り言のように語りかけた。
「鬼のように強いガキが一瞬で片して行きましたからね」
「ああ、あいつと敵対していなくてよかったな……。もし敵対していたら我らのしていたことは一瞬にして暴かれていただろう」
「でもまだガキでしたぜ?そこまで勘はよくないでしょう。それにもう過ぎたことですぜ。あとは町までのんびり行きましょうや頭!」
「今は頭と呼ぶなと言ったろう……まあそれもそうか。」
「すいやせん……。まあこの仕事が終わればそれこそ10年ぐらいは遊んで暮らせるような金が手に入るんですぜ。美味しい仕事だ!」
「そうだな。少し待遇が良すぎて気になるが……。」
男達は会話をしながら何事もなかったかのように町へと歩いていった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「やっぱりか……」
そんな男達を眺めていた人がいた。
グランである。
(魔物を倒してからも警戒信号がまだ鳴ったままだったからおかしいとは思ったんだよね……)
警戒信号とはグランが創り出した魔法の一つであった。
その効果は自分や親戚、友人、周囲に危険が迫っているときに自動で教えてくれる機能だ。
またこの信号が鳴っているときは自分の速さ(AGI)が15%上昇する効果もついている。
(一回町に帰ったふりをしてつけてみて正解だったな。でもぼくの後ろにもう一人の気配もするけど……。こっちを先に行くか。盗賊っぽい人たちはすぐに動き出しそうにないからな)
グランはもう一人の気配の元へ向かうことにした。
探知魔法や警戒信号では敵か味方かはわからないためとにかく気配を消して近づいてみることにしたのだ。
しかしグランが近づこうとするとその気配は姿を消してしまった。
(これは……はずれかな?でも何かあるかもしれないから一応警戒だけして見に行ってみよう)
グランがその場に着くと魔物がいきなり襲いかかってきた。
「うおっ!なんで探知魔法に引っ掛かってないんだ?何かの力が働いているとしたら……」
魔物を倒したグランがこっちに来てから創り出した検索魔法の魔法をつかい探知に引っ掛からない理由を探し始めた。
ちなみに検索魔法は地球のこととこの世界のことが調べられる優れものだ。
またインターネットも使ってないので通信料や低速制限がかかることもない。
「あった!えっと……探知に引っ掛からない理由が自分より強い魔物に追われているときに高位の魔物になるほど探知魔法や気配察知に引っ掛かからないようになるみたいだ。となると今回出てきた魔物が森狼だったということは高位の魔物は?」
グランが検索すると森狼を補食するのはサイズにもよるが地竜がほとんどだということがわかった。
森狼はCランク指定の魔物だ。
それを越える魔物はそうそういない。
存在はしているものの個体数が少ないのとだいたい奥地や辺境の地にいるため滅多に出会わないのだ。
そのため力は蓄えられるわけで地竜はAランクとされていた。
(厄介だな……)
地竜は最低でもAランクパーティーかS~SSSランクの冒険者が単独で倒せる相手だ。
今のグラン一人には荷が重いと感じられた。
(でも待てよ?転移が使えるんだから危険になったら転移して逃げればよくね?)
結局グランは一度地竜と戦ってみることにした。
(まあ固有技能でなんとかなるでしょ。最悪転移すればいいし、あの男達は”マーク“したから見失うこともないし)
「っときたきた!じゃあ“武具神”試してみますか!」
グランの予想通り地竜であった。
地竜は非常に足が短くAGIも低いため魔物の中で一番鈍足なことで有名だ。
そのため準備の時間はたくさんあった。
早速固有技能である武具神を発動させると創造魔法の時の声が聞こえてきた。
(どのような武器を創造しますか?)
「お!これも音声操作タイプか。しかも武器の特徴までわかる!じゃあシンプルにブレードで行こう!」
(どの素材で創造しますか?)
「素材も選べるのか。じゃあ鉄でいいかな」
(完成しました。ブレードと唱えるといつでも展開できます)
「よーし!じゃあ“展開!ブレードっ!”ここに魔法付与っ!」
魔法付与まで終えたところで地竜が攻撃しようと牙を剥いてきた。
「くらえ!真空刃っ!」
「グギャ!?グアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
下手に一撃を入れたことで逆鱗に触れたのか地竜はさらに怒り出した。
「うわっ!転移!“簡易創造”!あぶねー」
簡易創造は対象が宙に浮いている時にその足下に足場を創ることができる技能である。
「あんまり目立ちたくなかったけど……。ちゃっちゃと魔法で片付けるしかないか“轟炎閃光”」
轟炎閃光を放つと地竜は一瞬で消し炭になった。
(入試までに剣術の訓練ももっとしようかな)
その後かろうじて残っていた素材を集め“マーク”しておいた男達の方へ向かうのだった。
「なんとか助かったな……。」
男は先ほどの魔物の襲撃を受けて生き残ったものたちに独り言のように語りかけた。
「鬼のように強いガキが一瞬で片して行きましたからね」
「ああ、あいつと敵対していなくてよかったな……。もし敵対していたら我らのしていたことは一瞬にして暴かれていただろう」
「でもまだガキでしたぜ?そこまで勘はよくないでしょう。それにもう過ぎたことですぜ。あとは町までのんびり行きましょうや頭!」
「今は頭と呼ぶなと言ったろう……まあそれもそうか。」
「すいやせん……。まあこの仕事が終わればそれこそ10年ぐらいは遊んで暮らせるような金が手に入るんですぜ。美味しい仕事だ!」
「そうだな。少し待遇が良すぎて気になるが……。」
男達は会話をしながら何事もなかったかのように町へと歩いていった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「やっぱりか……」
そんな男達を眺めていた人がいた。
グランである。
(魔物を倒してからも警戒信号がまだ鳴ったままだったからおかしいとは思ったんだよね……)
警戒信号とはグランが創り出した魔法の一つであった。
その効果は自分や親戚、友人、周囲に危険が迫っているときに自動で教えてくれる機能だ。
またこの信号が鳴っているときは自分の速さ(AGI)が15%上昇する効果もついている。
(一回町に帰ったふりをしてつけてみて正解だったな。でもぼくの後ろにもう一人の気配もするけど……。こっちを先に行くか。盗賊っぽい人たちはすぐに動き出しそうにないからな)
グランはもう一人の気配の元へ向かうことにした。
探知魔法や警戒信号では敵か味方かはわからないためとにかく気配を消して近づいてみることにしたのだ。
しかしグランが近づこうとするとその気配は姿を消してしまった。
(これは……はずれかな?でも何かあるかもしれないから一応警戒だけして見に行ってみよう)
グランがその場に着くと魔物がいきなり襲いかかってきた。
「うおっ!なんで探知魔法に引っ掛かってないんだ?何かの力が働いているとしたら……」
魔物を倒したグランがこっちに来てから創り出した検索魔法の魔法をつかい探知に引っ掛からない理由を探し始めた。
ちなみに検索魔法は地球のこととこの世界のことが調べられる優れものだ。
またインターネットも使ってないので通信料や低速制限がかかることもない。
「あった!えっと……探知に引っ掛からない理由が自分より強い魔物に追われているときに高位の魔物になるほど探知魔法や気配察知に引っ掛かからないようになるみたいだ。となると今回出てきた魔物が森狼だったということは高位の魔物は?」
グランが検索すると森狼を補食するのはサイズにもよるが地竜がほとんどだということがわかった。
森狼はCランク指定の魔物だ。
それを越える魔物はそうそういない。
存在はしているものの個体数が少ないのとだいたい奥地や辺境の地にいるため滅多に出会わないのだ。
そのため力は蓄えられるわけで地竜はAランクとされていた。
(厄介だな……)
地竜は最低でもAランクパーティーかS~SSSランクの冒険者が単独で倒せる相手だ。
今のグラン一人には荷が重いと感じられた。
(でも待てよ?転移が使えるんだから危険になったら転移して逃げればよくね?)
結局グランは一度地竜と戦ってみることにした。
(まあ固有技能でなんとかなるでしょ。最悪転移すればいいし、あの男達は”マーク“したから見失うこともないし)
「っときたきた!じゃあ“武具神”試してみますか!」
グランの予想通り地竜であった。
地竜は非常に足が短くAGIも低いため魔物の中で一番鈍足なことで有名だ。
そのため準備の時間はたくさんあった。
早速固有技能である武具神を発動させると創造魔法の時の声が聞こえてきた。
(どのような武器を創造しますか?)
「お!これも音声操作タイプか。しかも武器の特徴までわかる!じゃあシンプルにブレードで行こう!」
(どの素材で創造しますか?)
「素材も選べるのか。じゃあ鉄でいいかな」
(完成しました。ブレードと唱えるといつでも展開できます)
「よーし!じゃあ“展開!ブレードっ!”ここに魔法付与っ!」
魔法付与まで終えたところで地竜が攻撃しようと牙を剥いてきた。
「くらえ!真空刃っ!」
「グギャ!?グアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!」
下手に一撃を入れたことで逆鱗に触れたのか地竜はさらに怒り出した。
「うわっ!転移!“簡易創造”!あぶねー」
簡易創造は対象が宙に浮いている時にその足下に足場を創ることができる技能である。
「あんまり目立ちたくなかったけど……。ちゃっちゃと魔法で片付けるしかないか“轟炎閃光”」
轟炎閃光を放つと地竜は一瞬で消し炭になった。
(入試までに剣術の訓練ももっとしようかな)
その後かろうじて残っていた素材を集め“マーク”しておいた男達の方へ向かうのだった。