仁科くんには、それほど心が麻痺してしまっていたことに気づかされた。


仁科くんは胸のことを話せずに、クラスや友達と気まずい感じになっていることも気づいていて、よく庇ってくれた。

仁科くんは入院しているお母さんのお見舞いでたびたび会って話す内、気を許していたのかもしれない。

仁科くんに「2つあったものが1つになったんだから」と言われた時、「ああ、そうだったんだ」と素直に思えた。

この人になら、裸の自分を見られてもいいと思った。

手術する前と、手術したあとの自分の姿を見られてもいいと思った。