「黒田さんが、凄い剣幕で恐いくらい結城のことを心配するだろう。黒田さんさ、結城の上司だったんだ1年半前までね」
紗世はやっぱりと思う。
「最初の頃は電車で移動してたんだけど、結城が何度か倒れてからは、あんな風になってね」
「電車が苦手って本当なんですね」
「そうだね、それだけならあんなに心配はしないよ。紗世ちゃん、結城はね。ただ虚弱なだけではないんだ」
相田の顔から笑顔が消えている。
「結城は、ここが悪いんだ。生まれつきね」
相田が胸を拳で叩く。
「心臓ですか?」
紗世が声を震わせる。
「うん、左心低形成症候群(HLHS)って言ってね。心臓の左心室と左心房が、殆ど無い状態で生まれて、何度も手術してるんだ」
紗世は押し黙る。
紗世はやっぱりと思う。
「最初の頃は電車で移動してたんだけど、結城が何度か倒れてからは、あんな風になってね」
「電車が苦手って本当なんですね」
「そうだね、それだけならあんなに心配はしないよ。紗世ちゃん、結城はね。ただ虚弱なだけではないんだ」
相田の顔から笑顔が消えている。
「結城は、ここが悪いんだ。生まれつきね」
相田が胸を拳で叩く。
「心臓ですか?」
紗世が声を震わせる。
「うん、左心低形成症候群(HLHS)って言ってね。心臓の左心室と左心房が、殆ど無い状態で生まれて、何度も手術してるんだ」
紗世は押し黙る。