珈琲はカフェインが苦手、甘いものは苦手、辛いもの、油っこいもの、味の濃いものも苦手……。


苦手だらけで何食べて生きてるんだろうと思う。

紗世は相田に話す。

相田は声を上げ笑いながら、どこか不安そうな顔をする。

「紗世ちゃんは、結城のこと何処まで聞いている?」

紗世は結城と行動して、見たこと感じたことや、自分が聞いた噂など洗いざらい話す。

「それだけ?」

「えっ!? まだ何かあるんですか」

目を見開き、相田を見つめる。

「ったく、大事なことは何も話してないんだな」

珈琲を啜り、相田が渋い顔で言う。

「大事なことって何ですか?」

「結城はさ、本人も時々『体が弱い』って言ってるだろう? あれって、冗談でも大袈裟でもないんだ」

「えっ!?」