机に寄りかかり立ち上がろうとする結城。

喘ぐように激しく咳をこむ。

「結城さん!!」

結城は机を支えに、ふらつく体で立ち上がる。

立っているのがやっとのように見える。

――病弱だって言ってるのも本当かどうか

紗世の頭に愛里の言葉が過る。

結城の辛そうな息遣いが聞こえる。

結城は自分の席まで、数メートルしか離れていないのに、何度も立ち止まり息をつく。

「結城……さん!?」

紗世が結城の背を擦ろうと、近づく。

「……さ、触るな……何でもない」

「何でもないって、そんなはずないじゃない!!」

結城が驚いたような顔をする。

荒い喘ぐような息遣いと咳で、結城の体がぐらりと揺れる。

紗世は結城の手をとり、肩に回し、結城の体を支える。

結城の体は火照っている。