「凄いわ……由樹、貴方」

「これくらいしか……俺には。体が動かない分、俺……頑張りますから」

結城は寂しそうに、微かな笑みを浮かべる。

「由樹、貴方には居てもらわなくちゃ困るの。早く復活してもらわなきゃ、困るの」

「そうですよ~お。結城さんが居ないとみんな、寂しそうなんですから」

詩乃が目を赤くし、俯いている。

「由樹、早く復活できるように頑張りなさい」

「みんなが結城さんを待ってるんですよ~お」

「……わかった」

結城は胸を押さえ、1つ咳をする。

「復活したら無理しちゃダメですよ。辛いときはちゃんと言ってくださいよ。結城さんは、いつも我慢しすぎなんですから」

「ああ……わかった」

結城は渋々こたえる。

――この笑顔をずっと見ていたいんだ

結城は思って、紗世をちらと見る。