病院に駆けつけた詩乃は、付き添った黒田と紗世に淡々と語る。
「由樹ね、この間の定期検査の結果……あまり良くなかったの。いつ大きな発作が起きてもおかしくないって」
紗世は「あっ」と息を飲む。
「去年くらいから、薬を強めにして、量も増やしていたんだけど……家では、ぐったりして横になってることが多かった。療養を勧められていたのよ」
「そんな……」
「無理をしてるのではないかと、何度も聞いたんだけど、何も話さなかった……」
「由樹は私たちにも仕事のことも、体調のことも話しませんでした。気づけなくてすみません」
黒田が静かに、頭を下げる。
「由樹は喋れなくなって間もなくから、小説を書いてたわ。万萬詩悠ってペンネームで……受賞の連絡を受けた時、由樹はリハビリ中で、無理をしないようにと思って、嘘をついたわ」
「……詩乃さん」
「由樹ね、この間の定期検査の結果……あまり良くなかったの。いつ大きな発作が起きてもおかしくないって」
紗世は「あっ」と息を飲む。
「去年くらいから、薬を強めにして、量も増やしていたんだけど……家では、ぐったりして横になってることが多かった。療養を勧められていたのよ」
「そんな……」
「無理をしてるのではないかと、何度も聞いたんだけど、何も話さなかった……」
「由樹は私たちにも仕事のことも、体調のことも話しませんでした。気づけなくてすみません」
黒田が静かに、頭を下げる。
「由樹は喋れなくなって間もなくから、小説を書いてたわ。万萬詩悠ってペンネームで……受賞の連絡を受けた時、由樹はリハビリ中で、無理をしないようにと思って、嘘をついたわ」
「……詩乃さん」