「黒田さんって、パソコン打ち込み速いんですね。驚いちゃいました」
「由樹ほどではないけれど」
「結城さんは人間技ではないですよ~」
結城は、暢気な会話だと思う。
だが、暢気な会話に気持ちが、僅かに和む。
渡部が「麻生、どうだった?」と、さりげなくデスクに呼びつける。
「はい、勉強になりました。先生方が黒田さん相手だとスゴく緊張されていて、執筆が早いんで驚きました」
「そうか。まあ、それぞれ良い部分、得意部分を生かして。こうあらねばという縛りはない」
「はい」
「で、麻生。秘書課から社章に1部不備があったから、回収すると連絡があった。預かるから」
「……そうなんですか?」
紗世は半信半疑な様子で、社章を外し、渡部に手渡す。
――盗聴器なんて、さすがに言えないよな
結城は緊張で胸の鼓動が速まり、胸に手を当てる。
「由樹ほどではないけれど」
「結城さんは人間技ではないですよ~」
結城は、暢気な会話だと思う。
だが、暢気な会話に気持ちが、僅かに和む。
渡部が「麻生、どうだった?」と、さりげなくデスクに呼びつける。
「はい、勉強になりました。先生方が黒田さん相手だとスゴく緊張されていて、執筆が早いんで驚きました」
「そうか。まあ、それぞれ良い部分、得意部分を生かして。こうあらねばという縛りはない」
「はい」
「で、麻生。秘書課から社章に1部不備があったから、回収すると連絡があった。預かるから」
「……そうなんですか?」
紗世は半信半疑な様子で、社章を外し、渡部に手渡す。
――盗聴器なんて、さすがに言えないよな
結城は緊張で胸の鼓動が速まり、胸に手を当てる。