「おれのせいにされても……」

「あはは、真意はわからんが。万萬はともかく、お前も気をつけろよ」

「ええ」

相田は席を立ち、パソコン画面を覗きこむ。

「梅川先生か? お前、凄いよな。あんな汚文字をよく読めるよ」

「黒田さんに鍛えられましたからね」

「彼女は飴とムチを知ってるよな」

「とても真似はできませんね」

「そうか? 俺はお前が黒田さんに似てきたと思うぞ」

「……笑えないジョークですよ」

結城と相田は顔を見合わせる。

「あれっ? 紗世ちゃんは……」

相田は、いつも結城と一緒に行動している紗世の姿がないのに気づく。

「麻生は今日、黒田さんと出掛けてます」

「そうか、黒田さんにも良い息抜きになるな」

「そうですね、麻生のあの明るさは癒されますね」