結城にとって、西村の言葉は嬉しい悲鳴だが、結城は複雑な気持ちだ。

「ところで、沢山江梨子のゴースト疑惑は、一段落したようだね」

「ええ、何とか。一時は肝を冷やしましたが」

「で、万萬詩悠を沢山江梨子の連載にぶつけるのかね!?」

「先生にもそれは話せませんよ。けれど、『万萬は沢山先生よりも数字を取れる』俺はそう思っています」

結城はキッパリ言い放つ。

「ほお。これはまた、大した自信だな。まあ、君の口から出た言葉なら確かだろう。それに、実を言うと万萬詩悠には興味があるんでね」

「新旧対決になると思います。沢山先生には良い刺激になるはずですし、万萬には勉強になるはずですし」

「万萬詩悠、彼の方に分があるように思うんだが」

「そうですか。先生、そろそろ本題の方を始めましょうか」