結城は力なく呟く。

「結城さんは嘘つきです。ちっとも大丈夫じゃないのに、具合が悪いのを我慢して、いつも何でもない風な顔をして……。どうして、そうやって無理ばかりしてるんですか」

紗世は机に突っ伏した結城をなじる。

結城は顔も上げずに「紗世、静かにしろ」と一言。

「肩で息をして、そんなに蒼い顔してるのに、どうして大丈夫だなんて嘘をつくんですか」

紗世は結城の突っ伏した背中に、訴えるように言う。

乱れた荒い吐息が聞こえる。

「……紗世、うるさい」

結城が気だるそうな声で言う。

「ずるいですよ。自分は言いたいことズバズバ言うくせに、わたしが何か言うと、そうやって面倒臭そうに静かにしろとか、うるさいとか」

「あーーっ!! 鬱陶し……クッ……」

結城が胸を押さえ、顔を歪める。

「結城さん!」

「……あっ……」