結城は浅田とのトラブルに、彼女を巻き込んだのだと罪悪感に苛まれる。

黒田の事故と浅田に左手を切つけられる瞬間。
結城は度々、夢に見てうなされる。

眠剤に頼り、やっと眠る日々が、もう1年半ほど続く。

結城は紗世が編集部へ異動してきたことで、以前にも増し頻繁に、退職した新入社員が脳裏にちらつく。

運悪く浅田に遭遇してしまった日などは、胸がざわつく。

駐車場で襲われた時。
結城は生きた心地がしなかった。

琢磨しい紗世のスキル。
結城はその勇姿に身も心も、救われたような気持ちだった。

――あいつといると心が和む

全身を覆う疲労と倦怠感。なのに……頭は冴えていくばかり。

目眩で視界がぐるぐる回る。


結城は体を起こしていることさえままならず、枕元の睡眠剤に手を伸ばした。