「えーーっ!! 22歳で青汁スティック!?」

「そこ? ずれてるだろ、疑問が」

「ずれてないです!! 22歳で青汁スティックに、酸素ボンベなんて……」

「仕方ないだろ……体弱いんだから」

「もしかして、その若さで慢性成人病?」

「違う!! 断じて違うから……」

結城の顔が能面のように凍り付き、紗世は「ごめんなさい」と呟く。

「麻生、行くぞ」

貼り付けたように冷たい顔が、紗世を一瞥する。

「はい」

紗世が恐々と、結城の後に続く。

「麻生さん、ちょっと」

不意の呼び掛けに振り返った紗世。

黒田芽以沙が険しい顔で紗世を見下ろしている。

「由樹にあんな酷いこと言わないでちょうだい」

「あの……どういう意味でしょう?」

「由樹が成人病なわけないでしょ!!」

黒田は眼鏡の柄を上げ、「ホントむかつく」ポツリ呟く。