「はあ~?」

黒田の金切り声が響く。

「そんなはずは……」

――沢山くんは最近、不調との噂を聞くが、結城くんは沢山くんの担当だったのかね?

「いいえ、結城は沢山先生の担当ではありませんわ」

――結城くんのことだからまさかとは思うが

「至急、調査確認します」

――ああ。結城くんは暫く安静に寝かせておくよ

「すみません。のちほど迎えに」

黒田は電話を切り、険しい顔を渡部に向ける。

「相田は、沢山先生の所か? 呼び出して確認を」

普段は穏やかな渡部の顔が別人のように、眉が吊り上っている。

「はい、編集長……例の件が」

「やはり、まだ動いている奴がいるな」

「ええ、由樹は何か隠してますね……あの子も」

黒田は渡部に言いながら、メールを打つ。