紗世は此処まで、お世話になっていいんだろうか、恐縮しながらスーツに袖を通す。

着替えて居間に入った紗世。

「紗世さん、とっても似合うわよ。それ、お仕事で使ったモノだけど、それを着たモデルさんより似合ってる」

紗世は詩乃に言われ、頬がカーッと火照り、ただ「ありがとうございます」しか言えなかった。

「本当にあなたが、ボディーガードをしてくれたなんて信じられない」

――ボディーガード!?

大袈裟な話になってないか、心配になる。

「顔面を跳び蹴りなんて! 見たかったわ~」

「スカートでやるもんじゃないけどな」

結城がニコリ、口角を上げ、続けてクスッと笑う。

「あ"あ"ーーーっ。見たんですね、イヤらしい!!」

「人聞きの悪いことを言うな、見えたんだよ。白いのが……」