「お互い腐っちまったよな」

田辺の言葉に、工藤もふっと笑った。

(本当だ。俺や田辺みたいな人間が、生きてても死んでても、誰も見向きもしねえ。その辺に捨てられているゴミと一緒だ)

「廃棄されるのを待つだけだな」

自分を、ゴミに例えて、自虐的に吐いた言葉に田辺が首を振った。

「俺っち達も、里見さんみたいに金貰って別の人生歩もうぜ」

「で、具体的には?どうやったら金が手に入るんだ?」

わざわざ、自分の住処に招き入れるくらいだ。他の奴らには、聞かせたくない話なのだろう。田辺は、工藤の額に自身の額が、くっつきそうな距離で、声を顰めた。