里見は、1ヶ月ほど前に此処にやってきた。ホームレスになってから、日が浅いせいもあるからか、この公園に住み着くホームレスの中では、身なりは、良い方だった。
「へぇ。どこで見つけたんだ?里見さんは」
「台風の次の日だったかな?食べ物探して彷徨ってたらさ、この紙が、空から落ちてきたらしいよ、風強かったからさ。どっかから飛ばされてきたんじゃないかって」
「落ちてきた?」
「俺っちだって、そんな事信じてないよ。多分、そういう事にしなきゃいけないんだよ、どう考えても、まともな仕事じゃないからさ」
「でも、田辺はやるんだ?」
田辺は深く頷いた。
「俺、里見さん、苦手なんだよな」
実際、里見という人間よりも、目つきが苦手だった。数回しか、話したことはないが、一重瞼で、表情は乏しく、それでいて、どこか人間を品定めするような、感情のない瞳を思い出すと寒気がした。
「へぇ。どこで見つけたんだ?里見さんは」
「台風の次の日だったかな?食べ物探して彷徨ってたらさ、この紙が、空から落ちてきたらしいよ、風強かったからさ。どっかから飛ばされてきたんじゃないかって」
「落ちてきた?」
「俺っちだって、そんな事信じてないよ。多分、そういう事にしなきゃいけないんだよ、どう考えても、まともな仕事じゃないからさ」
「でも、田辺はやるんだ?」
田辺は深く頷いた。
「俺、里見さん、苦手なんだよな」
実際、里見という人間よりも、目つきが苦手だった。数回しか、話したことはないが、一重瞼で、表情は乏しく、それでいて、どこか人間を品定めするような、感情のない瞳を思い出すと寒気がした。