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今日もまた自然と遮断機の前に立ちすくむ。気付けばここに居る。カンカンカンと警告音が私を呼び寄せる。

今日こそはと、気持ちを込めた。私の事なんてどうせ誰も見ていない。私がどこで何をしようが誰に何の影響も与えない。でも、私はここに居る。

居ない事にするっていうなら、本当に居なくなってやる。そこから逃げる方法なんて、こんな事しか無いんだから。私が居なくなって驚いたってもう遅いんだから。その時になって後悔して、悲しんだって遅いんだから。

……悲しんで、くれるのかな……

それを知る為にはやるしかない。やるしかない。

逃げるにも、確認するにも、結局やるしかない。


「本当に?」

「!」


まただ。また声に振り返るとその人は居た。前回の時同様に、私の少し後ろに佇んでいる。誰も居なかったはずなのに。


「早くしろよ。もう来るぞ」

「……え、……」

「ほら、行けよ」

「……」


踏切へ向き直ると電車はもうすぐそこまで来ていて、目的を達成するには今すぐ踏み出すしかなかった。今行くしかない。行くしかない。行くしか、行かないと、


ガタンゴトン——ガタンゴトン——


「あーあ。駄目だった」

「……」

「やる気あんの?」

「……」


後ろから無遠慮に掛けられる声を黙って背中で受け止めていた。私はまた出来なかった。情けなさに押しつぶされそう、だ、けど、


「次、手伝ってやろうか」


それよりも一体、この人は何? 怖くて、怖くて、振り返れない。この人は私の目的を知っている。知った上でここに、また来たという事?


「聞いてんの?」

「っ、!」


耳元で聞こえてきた囁きに身体が飛び跳ねて、反射的に走り出していた。逃げなければ、この人は危ないと第六感が察知している。怖い、こんなに怖い事がこの世にあるなんて。

元来た道を駆け戻る私に、その人が着いてくる事は無かった。追いかけられなくて良かった。あの人は、怖い。なんだかとてつもなく、怖い。