〈物質転移魔法〉による高速生着替えの最中、光っている間にその中がどうなっているのかはユウナ本人でさえもわからないらしい。
まあ、本当にぴかっと一瞬光るくらいだし、本人も意図的に〈物質転移魔法〉を使ったわけではなくイメージから魔法を発展させただけだそうなので、わからないのも当然である。光の中がどうなっているかなど考えていなかったらしく、そこを指摘されてユウナも恥ずかしくなってしまったようだ。
もしかすると、あの刹那本当に下着状態になっているのかもしれないと思うと、とてもえっちでけしからん仕様である。どんどん着替えて下さい。ああ、この世界にサングラスがあったなら是非掛けたかったなぁ。無念だ。
「……またえっちな事考えてるでしょ」
「またって何⁉ 考えてないから!」
ユウナが訝しむ様な視線を向けてきたので、慌てて否定する。
この世界に思考を読み取る魔法がなくてよかった。そんなものがあったら全男性は女性から軽蔑の眼差しで見られる事間違いない。高校生なんてものは、大抵くだらない事かえっちな事しか考えていないのである。
ユウナは「ほんとかなぁ」とこちらをジト目で見ているが、気にしてはならない。こういう時は「海が綺麗だなー」とか言って適当に言い逃れるに限る。
「それで、家探しだけど……どこから回る? この世界に不動産屋さんってあるのかな」
ユウナは呆れた様に溜め息を吐くと、話題を元に戻した。
助かった。俺が話題を変えようとするとどうにもわざとらしくなってしまうから、どうしようかと悩んでいたのだ。
「それについては昨日宿屋の店主から訊いてみたんだけど、どうやら空き家やらの管理は町の方でしているらしくてさ。まずは町長のところに挨拶かな」
店主曰く、ウェンデルの町では基本的に移住審査などは特にないらしい。町長のところに移住の申し出を伝えると、空き家などを紹介してくれるそうだ。
ただ、あからさまに風貌がイカついとか、悪評があるとなると断られる事もあるらしい。まあ、でも他の町から知らされた指名手配犯でもない限り断られる事はないだろうとの事だった。
「町長さんがお家を紹介してくれるのは嬉しいね」
「家探しなんて《《あっちの世界》》でもした事ないからな。契約関係だとかがない分、むしろこっちの方が楽そうだ」
高校を出たら一人暮らしをしようと考えていたが、それが少し早まった感じだろうか。まあ、一人暮らしどころか付き合い始めたばかりの女の子といきなり同棲というすっ飛ばし具合なのだけれども。
「二人で家探しとか、新婚さんみたいだね」
「ブッ!」
ユウナの何気ない一言に、思わず色々噴き出てしまった。
「あ、またえっちな事考えてる」
「ばっ! か、考えてない!」
「でも、ほんとに新婚さんみたいだよ?」
からかいの意図を含んだ笑みを浮かべ、こちらを覗き込んでくる。
この野郎め。むしろ俺がえっちな事を考える様に誘導していないか?
きっと、恥ずかしがる俺の反応を見て遊んでやがるのだ。そうとなれば、ちょっと反撃してやらないと。
まあ、本当にぴかっと一瞬光るくらいだし、本人も意図的に〈物質転移魔法〉を使ったわけではなくイメージから魔法を発展させただけだそうなので、わからないのも当然である。光の中がどうなっているかなど考えていなかったらしく、そこを指摘されてユウナも恥ずかしくなってしまったようだ。
もしかすると、あの刹那本当に下着状態になっているのかもしれないと思うと、とてもえっちでけしからん仕様である。どんどん着替えて下さい。ああ、この世界にサングラスがあったなら是非掛けたかったなぁ。無念だ。
「……またえっちな事考えてるでしょ」
「またって何⁉ 考えてないから!」
ユウナが訝しむ様な視線を向けてきたので、慌てて否定する。
この世界に思考を読み取る魔法がなくてよかった。そんなものがあったら全男性は女性から軽蔑の眼差しで見られる事間違いない。高校生なんてものは、大抵くだらない事かえっちな事しか考えていないのである。
ユウナは「ほんとかなぁ」とこちらをジト目で見ているが、気にしてはならない。こういう時は「海が綺麗だなー」とか言って適当に言い逃れるに限る。
「それで、家探しだけど……どこから回る? この世界に不動産屋さんってあるのかな」
ユウナは呆れた様に溜め息を吐くと、話題を元に戻した。
助かった。俺が話題を変えようとするとどうにもわざとらしくなってしまうから、どうしようかと悩んでいたのだ。
「それについては昨日宿屋の店主から訊いてみたんだけど、どうやら空き家やらの管理は町の方でしているらしくてさ。まずは町長のところに挨拶かな」
店主曰く、ウェンデルの町では基本的に移住審査などは特にないらしい。町長のところに移住の申し出を伝えると、空き家などを紹介してくれるそうだ。
ただ、あからさまに風貌がイカついとか、悪評があるとなると断られる事もあるらしい。まあ、でも他の町から知らされた指名手配犯でもない限り断られる事はないだろうとの事だった。
「町長さんがお家を紹介してくれるのは嬉しいね」
「家探しなんて《《あっちの世界》》でもした事ないからな。契約関係だとかがない分、むしろこっちの方が楽そうだ」
高校を出たら一人暮らしをしようと考えていたが、それが少し早まった感じだろうか。まあ、一人暮らしどころか付き合い始めたばかりの女の子といきなり同棲というすっ飛ばし具合なのだけれども。
「二人で家探しとか、新婚さんみたいだね」
「ブッ!」
ユウナの何気ない一言に、思わず色々噴き出てしまった。
「あ、またえっちな事考えてる」
「ばっ! か、考えてない!」
「でも、ほんとに新婚さんみたいだよ?」
からかいの意図を含んだ笑みを浮かべ、こちらを覗き込んでくる。
この野郎め。むしろ俺がえっちな事を考える様に誘導していないか?
きっと、恥ずかしがる俺の反応を見て遊んでやがるのだ。そうとなれば、ちょっと反撃してやらないと。