「でしょー? さすが凛さん、わかってるっすね! ってか、凛さんこの衣装似合いそうだな~」

 火照がしみじみと言う。

 凛は、自分がその衣装を着ている姿をつい想像してしまう。

「う、うーん……。こんな短いスカートは、ちょっと恥ずかしいかも……」

 正直に感想を述べると。

「え! 俺も絶対似合うと思うっ。ってか、恥ずかしいって!? 恥ずかしがってくれるのがまたいいんですっ!」

「えっ……」

 想像していなかった鞍馬の言葉に凛は戸惑う。恥ずかしがっているのがいいという主張は、まったく理解できない。

「……なに? どれだ」

 いつの間にか凛の背後に立っていた伊吹が会話に入ってくる。読書をしていたはずなのに、ちゃんと皆の話は聞いていたらしい。

 伊吹はしばしの間無言で画面を見た後、考え込んでいた。

 ――い、伊吹さんは大人の男性だから。やっぱり短いスカートははしたないって感じたかな。

 すると伊吹は凛に視線を合わせて、口を開いた。

「凛。俺もとてもかわいいと思う」

「えっ? そ、そうなのですか……?」

 意外な伊吹の感想に、困惑する。

 伊吹はそんな凛を見つめたまま、こう続けた。

「だが、確かにスカートは短いな。他の男に凛の脚を見せるなんて言語道断。というわけで、はくなら俺の前だけにしてくれないか」

 とても真剣な顔と声だった。しかし、言葉の内容がまったくその様子にはそぐわない。

「い、いえ。伊吹さんの前でもとても恥ずかしいので、そもそもこんなスカートははきませんけど……」

 想像しただけで赤面しそうだった。