そしてふたりで視聴を始めたわけだが、一話目の冒頭から息もつかせぬおもしろさで、凛も伊吹もあっという間に引き込まれてしまった。

 ふたりで申し合わせたわけでもないのに、少しでも時間ができた時には自然とこのドラマの続きを追うのが習慣になるほどだった。

 そして迎えた最終回。これまでの話と同様に予期せぬ展開が続き、ふたりとも画面から目が離せなかった。

 時折「この後どうなってしまうんでしょう!?」「うーむ……」などという会話を挟みながらも、夢中でストーリーを追う。

 ちなみに現在、居間は凛と伊吹のふたりきりだった。

 同居の鞍馬は友人と『お(とぎ)(なか)見世(みせ)(どお)り』というあやかしたちが集まる繁華街に遊びに行っており、使用人で猫又(ねこまた)国茂(くにしげ)は台所で家事をしている。

 いよいよドラマは最終回のラストシーンとなった。

 純白のウェディングドレスを着たヒロインと、その傍らで幸せそうに微笑む主人公の姿が画面を彩っている。

「よかった……! ふたりは幸せになれるのですね」

「ああ。途中、また引き離されそうになってしまってハラハラしたな」

 感極まった凛が涙声で言うと、伊吹がうんうんと(うなず)く。最後の最後までどうなるかわからない展開だったため、感動もひとしおだった。

『早く俺たちの子供が欲しいね』

『そうだね。男の子と女の子どっちがいい?』

『どっちでも……ううん、両方!』

 結婚式の最中、主人公とヒロインがそんな会話を繰り広げるシーンでドラマは結末を迎えた。すると。

「……子供か」