ふたりは居間の真ん中に置かれた茶の間の上にノートパソコンを広げ、人間のアイドルの動画を楽しそうに視聴している。
その様子を凛は傍らで微笑ましい気持ちで眺めていた。
伊吹は少し離れた場所で読書に没頭しているが、ふたりが騒いでいても不快ではなさそうだ。
また、ちょうど休憩時間の国茂は、お茶をすすりながらテレビを見ていた。
火照は以前からたまにこうして鞍馬に会いにやってきていたので、凛とも周知の仲だった。彼は鞍馬と同じように人間界の文化が大好きで、いつもこうして人間界の芸能人や流行のファッションについて意気揚々と語っている。
灰色の髪をマッシュウルフにし、耳に何個もピアス穴を開けた火照は、常に流行の最先端らしい奇抜な格好をしている。一見近寄りがたい印象を受けるが、とても人当たりがよく、凛にも気さくに話しかけてくれる気のいいあやかしだった。
――人間界にいた頃は、あまりそういうのに興味を持つ暇はなかったけれど。確かに人間のアイドルはかわいいし、人間界で流行りの服装もおしゃれだよね。
鞍馬がよく話題にしてくるので、最近では凛も人間界の流行を少しだけ知っている。『これ、凛ちゃんに似合いそう!』と、最新のファッションの画像を見せてくる鞍馬と話すのは純粋に楽しかった。
「ほら、凛ちゃんも見てみて! いい曲だし衣装もかわいいんだよ~」
鞍馬がパソコンの画面を見るように促してきたので、彼の隣に移動する。画面を見ると、制服のような短いスカートをはいて歌って踊るアイドルたちは、確かにキュートだった。
「あ、本当。すごくかわいいね」
その様子を凛は傍らで微笑ましい気持ちで眺めていた。
伊吹は少し離れた場所で読書に没頭しているが、ふたりが騒いでいても不快ではなさそうだ。
また、ちょうど休憩時間の国茂は、お茶をすすりながらテレビを見ていた。
火照は以前からたまにこうして鞍馬に会いにやってきていたので、凛とも周知の仲だった。彼は鞍馬と同じように人間界の文化が大好きで、いつもこうして人間界の芸能人や流行のファッションについて意気揚々と語っている。
灰色の髪をマッシュウルフにし、耳に何個もピアス穴を開けた火照は、常に流行の最先端らしい奇抜な格好をしている。一見近寄りがたい印象を受けるが、とても人当たりがよく、凛にも気さくに話しかけてくれる気のいいあやかしだった。
――人間界にいた頃は、あまりそういうのに興味を持つ暇はなかったけれど。確かに人間のアイドルはかわいいし、人間界で流行りの服装もおしゃれだよね。
鞍馬がよく話題にしてくるので、最近では凛も人間界の流行を少しだけ知っている。『これ、凛ちゃんに似合いそう!』と、最新のファッションの画像を見せてくる鞍馬と話すのは純粋に楽しかった。
「ほら、凛ちゃんも見てみて! いい曲だし衣装もかわいいんだよ~」
鞍馬がパソコンの画面を見るように促してきたので、彼の隣に移動する。画面を見ると、制服のような短いスカートをはいて歌って踊るアイドルたちは、確かにキュートだった。
「あ、本当。すごくかわいいね」