「……全然諦めないじゃん」
「諦めないよ! 絶対に!」
「絶対に……絶対か」
うん! と大きく頷くと、諦めたように彼はまた溜息をついて、一点を見詰めて黙り込む。その見つめる先をチラリと見てみたけれど、特に何も無い。どうやら考え事をしているみたいだった。
「……じゃあ、どんな僕でも見つけられる?」
「?」
「見つけられなかったら、それでもう終わりにしよう。それがいい。僕もその時は諦める」
「……え?」
「次の夢で僕を探して。見つけられたら、君の勝ち」
約束だよと、彼は一方的に小指を差し出す。
「……分かった、約束。絶対見つけるよ」
それしか方法は無いのだと腹を括り、その指に私の小指を絡めた所で夢は途切れた。朝が来る。約束と共に、現実へと戻ってきた。
『次の夢で僕を探して』
一体どういう事になるのか、何の想像も付かないまま結んだ約束が、小指の残っているように感じた。粘ったおかげで手に入れたチャンスだ、絶対に物にしてみせる。