一体、彼は私のどこまでを知っているのだろう。
こんな事を言うなんて、私がひとりぼっちな事もライオンさんは知っているのだ。私が現実の世界で窮屈な思いをしている事までも……本当の私はここでの私とは全然違う毎日を送っていて、だから私はここが好きだった。あの子を探して彷徨う今が、とても楽しかった。……でも。
「ずっとここに居るつもりは無いよ。それとこれとはまた別の話だから」
「……なんで?」
否定する私に、訳が分からないといった様子でライオンさんは眉間に皺を寄せる。なんで? だって。こんなに私の事が分かってるのに、どうしてそこが分からないのだろう。
「だって、私の目的はここに居る事じゃない。現実であの子に会う事だから、ずっとここには居られないよ」
どんなにここが居心地良くても、どんなにここが楽しくても、私はここに居続ける事は無いのだと断言出来る。何故ならここを出た先の未来が私の頭の中には描けているから。
「もし現実にあなたが居れば、これから先ずっと私達はひとりぼっちじゃなくなるじゃない。ここでだけじゃない、外の世界で私はあなたと助け合っていきたい。一緒に二人の世界を作っていきたいよ」
だから教えて欲しい。答えて欲しい。
「ライオンさん、あなたが……あなた達が、あの子なんだよね?」