ぶわっと急に鳥肌が立つ。ピンと来たものがあった。あの子を探すというのは、姿を探すのでは無く、あの子の人間性を知るという事だった。私はそれを知る為にあの子の世界を回っていて、そこで出会った、あの子と同じ部分を持つ猫さん、犬くん、ライオンさん。あの子と彼らが同じ気持ちというのはつまり——あの子と彼らは同じ存在、という事?

——そうだ、きっとそうだ。ドクンと一つ、心臓が大きく跳ねた。答えに辿り着いたのかもしれないと思うと、途端に鼓動がドキドキ速くなって、身体が段々熱くなってくる。そうなのだと確信を持つ程に嬉しさと切なさが込み上げてきて、今すぐどうにかしたい気持ちで椅子から立ち上がり、私は慌ただしく家を飛び出していた。

ライオンさん、ライオンさんに会わなければ! どこに居る? そうだ、お城! きっとお城に!


「どこに行くの?」

「っ! ライオンさん!」


家を出てすぐ、背後から掛けられた声の主はライオンさんで、今すぐ会いたいと思っていたその姿に私は丁度良かったと興奮のまま口を開く。


「良かった! 今会いに行こうと思ってて、あのっ、私気付いたら事がっ、」

「それ、こんな夜にする話?」


うんざりした様子で空を見上げるライオンさんにつられて空を見上げる。真っ暗な夜空。先程までの綺麗な星々は雲に覆われ顔を隠し、どっぷりと暗い、嫌な夜になっていた。