「学校の周り、鎮守の森には目くらましの結界が何重にも施されているんだよ。学園の生徒があの階段を通ると直ぐにここまで繋がるけれど、邪な者はあの階段から抜け出すことはできない」 嘉正くんの丁寧な説明にもただただ「すごい……」という反応しかできなかった。 このところ驚かされることばかりだ。 行くよー、と慶賀くんに呼ばれて慌てて歩き出す。 向かう先は私たちがこれから住む学生寮だ。