「確かに俺もあんまり好きじゃないかな」
嘉正くんまでそう同意して少し驚く。
上着を広げて首を傾げた。
可愛いと思うんだけどなぁ。
「学校に着いたら寮で着替えて、直ぐに神職奉仕報告祭があるから」
「報告祭?」
「修詞は学校で俺たちは学生だけど、一応学舎に隣接する社で奉仕する神職って扱いになってるんだ。だから、新学期ごとに"これから俺たちが奉仕します"って御祭神さまに報告する式があるんだよ」
なるほど。
内容は全く違うけれど、いわばこれが入学式の代わりになるらしい。
「学校へはどのくらいで着くの?」
「集合場所によるけど、いつも三四時間くらい? それまで花札しようぜ!」
そう言って私の手首を掴んだ慶賀くんは、楽しげに駆け出した。