ゴソゴソと漁るまでもなく、自分の名札はすぐに見つかる。
引っ張り出して紐を解いてみた。
見慣れた白いカッターシャツに、丈の短いベストタイプの襟なしブレザー。
校章らしき紋様が彫られた四つの金色ボタンが松葉色に映えて輝く。
同じ松葉色のスカートは、ロングスカートだと思ったけれども作りは和服の袴に似ていた。
前紐と後ろ紐が着いていて、前でちょうちょ結びにして着るようだ。
着物のように袖の長い藍色のジャケットには、内と外にポケットがふたつずつある。
どうやら女子は朱色の紐リボンを結ぶらしい。
見たことも無い制服に、少しだけ心が弾む。
上級生の制服をちらりと盗み見したけれど、やっぱりすごく素敵な制服だ。
慶賀くんも制服を広げ始めて、男の子の制服は袴のデザインが少し違うだけで後は全く同じだった。
「うげー、遂にこれを着るのかー」
唇を尖らせた慶賀くん。
「嫌なの……?」
「嫌だよこんなダッサイ制服! 巫寿はダサいと思わないの!? 白衣と袴を元にして作ったんだろうけど、それなら白衣と袴でいいじゃん!」
はあ、とわざとらしくため息をついた慶賀くん。