「────それでは、始めて下さい」


サラリ、と紙を捲る音が教室中に響く。

試験は順調に進み、昼休みを挟んで四科目、理科のテストが始まった。


あ、ここ。恵理ちゃんとお昼に教科書で見たとこ。


そんなことを考えながら順調に問題を解いていると、始まってから30分くらい経ち試験官の先生が私の席の横で足を止めた。

少しドキッとしながらも問題用紙を見つめていると、机の上にスっと紙が置かれた。

不思議に思ってその紙を見る。


【急を要するお話があります。荷物をまとめて静かに立ち上がり、試験官と教室を出てください。】


目を見開いてその紙を見つめる。

戸惑い気味に先生を見上げると、先生は険しい顔でひとつ頷いた。