私たちが気を失ったあとのことは、目覚めて直ぐに薫先生から聞かされた。

まず私たちは一ヶ月もの間眠り続けていたらしい。

大量の瘴気を体に取り込んだことにより、その穢れを浄化するため自分たちが保有する霊力を大量に消費したらしい。

霊力は言わば活動の源、エネルギーが枯渇していたせいで私たちは深い眠りについていたのだとか。


窓の外はジリジリと蝉が鳴き、いつの間にか夏が始まっていた。



そして、薫先生はその後、何があったのかも詳しく話してくれた。

私たちの連絡に気がついた薫先生と禄輪さんが駆けつけた時には、あの鳥居は来光くんの御札によってまたしっかりと封印されていたらしい。

溢れかえっていた瘴気も跡形もなく浄化され、ぼろぼろの状態の私たちだけが床に倒れていたのだとか。


『あの鳥居は、なんだったんですか?』


そう尋ねた私に、薫先生はひとつため息を吐いて答えた。


『もう気付いてるでしょ? あそこには、空亡の残穢が封じられていたんだ』


そう言われ、やはり方賢さんは空亡の残穢を取り込むために、あの封印を解こうとしていたのだと分かった。

信じたくない気持ちでいっぱいだった。


『方賢さんは……?』

『生きてはいるよ』


良かった、と息を吐いたけれど、すぐに違和感を感じて聞き返す。