前に出て戦う3人に心の中でお礼を叫ぶ。

3人が戦ってくれているんだから私も自分のすべきことをしなきゃ。


あたりを見回した。紫暗色の靄が鳥居の奥から吹き出し、霧がかかったように視界が悪い。

吸い込めば背筋がぞわりとして、皮膚が針で刺されるように痛む。瘴気は残穢の一種、長時間体に取り込めば死にいたることだってある。

私の役目はこの瘴気を祓うこと。


胸の前で2回鋭い柏手を打った。この瘴気を打ち祓う祝詞は、天地一切清浄祓(てんちいっさいしょうじょうはらえ)だ。


天清浄(てんしょうじょう) 地清浄(ちしょうじょう) 内外清浄(ないげしょうじょう) 六根清浄(ろっこんしょうじょう)祓給(はらいたま)う」


全ての不浄を祓い清める、言祝ぎの祝詞。


天清浄(てんしょうじょう)とは 天の七曜(しちよう) 九曜(くよう) 二十八宿(にじゅうはちしゅく)を 清め 地清浄(ちしょうじょう)とは 地の神 三十六神(さんじゅうろくじん)を 清め 内外清浄(ないげしょうじょう)とは 家内三宝(かないさんぽう)


全ての不浄を洗い流してください、心地よい空気で満たしてください。

心の中でそう強く願う。


大荒神(だいこうじん)を清め 六根清浄(ろっこんしょうじょう)とは 其身(そのみ) 其體(そのたい)の (けがれ)を (はら)(たま)へ────!」



合わせる手のひらに力を込めた。