「どうする? すんなり解散とは行かなさそうだぜ」


ごうごうと音を立て瘴気を吹き出す鳥居、その下に立ちこちらを睨む方賢さん。

方賢さんたちは、私たちに「口封じ」すると言った。


つまり私たちをここから生きて逃がすつもりはないということだ。


「もしあの鳥居の奥にあるものが空亡の残穢で間違いないなら、本当に僕達じゃ手に負えないよ!」

「ああ。だからっていつ来るのか来てくれるのかすら分からない助けを待っている時間も無いよ。俺たちでどうにかするしかない」



薫先生に連絡入れた。禄輪さんへも事情を話すよう眞奉にお願いもした。

眞奉なら必ず伝えてくれるだろうけれど、それがいつになるかなんて分からない。


ここから逃げ出すには、やっぱり私たちで何とかするしかないんだ。



「とりあえずこれ以上封印を破られないように方賢さんを取り押さえて、封印の御札を貼り直そう」

「よし、方賢さんは俺と慶賀でやる」


泰紀くんがそう名乗り出てた。


「分かった。俺も加わる、三人で行こう。その間に来光は封じの御札を作って。作ったことある?」

「ない、けど……本で読んだことはある。でもごめん、袱紗に入ってる予備の和紙しか持ってない。書くものがない」


あ、それなら、と自分の胸ポケットを探って「はい」とボールペンを差し出した。