「皆大丈夫!?」

「どう見てもだいじょばないだろうがアホ慶賀! 背中燃えるかと思ったぞ!」

「あれ何したんだよッ!」


額に脂汗をかいた来光くんが目を見開きながら問いただす。


「亀世パイセンと作ったなんちゃって漢方爆弾! 前回の失敗を反省して作った!」

「反省してたら爆弾なんて作らないだろ!」

「今はそれどころじゃない!」


嘉正くんの怒鳴る声に二人は「分かってるよ!」と半ば噛み付くように返した。


「みんな、来光の御札の効果は?」


ポケットの上から触れて小さく頭を振る。皆同じように苦い顔で首を振った。

そっと柱から除けば、燃え尽きた形代の灰を指でなぞった方賢さんの怒りで染った目と目があった。


「まさか、方賢さんが真犯人だったなんて」

「悲しいけど、目の前で起きてることが事実だ」

「……うん」


厄除けの御札を渡してしまったこともあって、来光くんはかなりショックを受けているようだった。

他のみんなも困惑の色が顔に滲み出ている。


私だって、あの方賢さんが真犯人だったなんて信じたくなかった。