(にのまえ)って、あれだろ? 山奥の村で神童とかって囃し立てられてた」

「そうそう。何が神童だよな、俺たちのこと馬鹿にした目で見やがって」

「自意識過剰だよね。傲慢だし、空気読めないし」

「気持ち悪い〜」



彼は山の麓では、上手く馴染むことが出来なかった。

やがてさまざまな悪意がぶつけられるようになり、方賢は孤立した。


「おい、ペアワークなんだから誰か方賢と組んでやれ」

「神童なんで一人でも大丈夫だと思いまーす」


くすくす、くすくす。彼を囲む笑い声は悪意に満ち溢れていた。


「気持ち悪いんだよお前!」

「神童ならその力でやり返してみろよ!」


たくさんの手が撫でたはずの頭は、悪意ある手によって殴られた。



なぜ、などうして────?

自分は他には無い傷を癒す特別な力を持っている。

周りは僕のことを神童だと言った。尊い存在だと言った。

なのになぜ、こんなにも貶められている?



村の人達は、僕の力を理解してくれた。なのに何故、この人達は僕の力を理解できない?

────僕の力を理解できない、底辺ども。


傷付けることしか出来ないゴミクズどもは、居なくなればいい。

この世に必要のない存在だ。





そうだ。全員、死ねばいいんだ。