「全てが繋がった。嬉々先生は、あの噂と同じことをもう一度しようとしているんだよ」

「どうにかして止められないかな? 方賢さんを守らなきゃ」

「どうやって? 抑えられるような証拠でもあるのか?」


証拠、証拠……。

せめて、もう一度あの鳥居に嬉々先生がいるところを押さえられたら。

でも、前回は偶然あそこにたどり着けただけで、また行けるとは限らない。

いったいどうしたら。


「嬉々先生が祠にいる所を押さえよう」

「でもあの場所がどこにあるのか分からねーじゃん」

「いや、大丈夫。どこの扉を開けたのか廊下を曲がったのか、全部何となく覚えてる。次にまねきの社の結界が貼り直されるまでなら、もう一度行けるかもしれない」

「気持ち悪っ! 嘉正なんでそんなこと覚えてんだよっ」

「失礼だな。一度読んだ教科書を覚えてるのと一緒だよ」


そんなの誰も覚えてないよ、という声が意図せず揃った。

嘉正くんの頭の良さが改めて垣間見える。