「さすがにそれは考えすぎじゃない?」
「じゃあ他に何がある?」
うーん、と唸り声をあげる。
確かに来光くんの推測が今のところは一番納得は行く。納得はいくけれど、どうしてかしっくり来ないのだ。
「あ、」
松の木の上から泰紀くんが突然声を上げた。
ぱっと振り向くと、何かを閃いたのか顔を上げたまま固まっている。
「なんだよ泰紀、言いかけて止めるなよ気持ち悪い〜」
「いや、うーん。だってよー、違ったら恥ずかしいし」
「三馬鹿って呼ばれる方がよっぽど恥ずかしいと思うけど?」
確かに、とひとつ頷くと、木の枝の根元に座り直して私たちを見下ろした。
「俺たちが迷い込んだおかしな鳥居あったろ?」
夥しい数の御札が貼られ瘴気が溢れた薄気味悪いあの空間を思い出した。
「来光が言ってたあの噂の「殺された生徒を祀るための祠がある」ってやつ、あそこだったんじゃないかって」