「その呪いは祓えないんですか……?」

「試してはみたんですがなかなか強いもののようで、びくともしないんですよ」

「痛みとかって」

「それは何とか御札で抑えています。それでも手先が痺れるので厄介なのですが」


そんな、と眉を顰める。


「心配には及びません。禁書にはよくある事なんですよ、解呪する方法もあるはずですから」


そう笑った方賢さんは目当ての書物を棚から引っ張り出して私に手渡した。

まだ憑き物の呪いについての授業しか受けたことがない私には、その呪いの正体を突き止めて解呪することは難しい。


そもそも方賢さんが解けないような呪いを私がどうにかできるわけが無い。


せめて、痛みだけでも取り払えれたらいいのに。


痛み、だけ……?


「あっ」


ぱっと顔を上げた私を不思議そうに見下ろす。

手渡された書物を、棚の隙間にねじ込む。


「上手くいくか分からないんですけど、ひとつ祝詞を奏上しても良いですか……? 自分に試した時は上手くいったんです。私が作った祝詞で、平癒とか厄祓いの効果があるものなんですけど……」