その日の放課後、いつもよりも早めに神話舞の練習が終わったので、その足で文殿へやってきた。

神話舞の稽古が始まってから罰則は免除してもらっていたし、自習の時間もあまり取れていなかったので文殿は久しぶりだ。


からからと戸を開けると、ぱっと顔を上げた方賢さんと目が合った。


「巫寿さん、なんだか久しぶりですね。こんにちは」

「こんにちは。罰則に全然来れなくてすみません」


肩を竦めながら中へはいる。


「いえいえ。嘉正くんたちから聞いてますよ。神話舞の稽古、頑張っているんですね。それで、今日はどうしました?」

「久しぶりに自習しようと思いまして。えっと……神楽舞と授力について、私が読める文字の書物ってありますか?」

「ええ、ちょうど良いものがありますよ。一緒に行きましょうか」


方賢さんはゆっくりと立ち上がった。