次の瞬間、合わせた手のひらがじんわりと熱くなって咄嗟に手を離した。
見れば、皮が向けて赤くなっていた手のひらの赤みが引いている。
試しに握ったり開いたりしてみると、ずっと感じていたじくじくとした痛みはなくなって、すっかりいつも通りになっていた。
「うわ……っ」
興奮気味に声を上げると、来光くんが嬉しそうに笑う。
「嬉しいよね、初めて作った祝詞が成功すると」
「うん、でもびっくり……。こんなにちゃんと効果があるなんて」
「巫寿ちゃんは言祝ぎが強いから、それもあるんじゃない?」
「なるほど……」
祝詞の書かれた紙を掲げる。初めて作った祝詞だけあって何だか感慨深い。
究極祝詞研究会、すごく面白いかもしれない。