「────ごめん! ほんっとにごめん!」


地面に頭がつきそうなほどに深く頭を下げて謝罪を繰り返す嘉正くんに慌てて首を振った。


「本当にもう大丈夫だよ。勇逞さんが助けてくれたから、怪我することもなかったし」

「でも、俺が提案しなきゃあんなことにはならなかったのに……」


そう項垂れる姿は普段は滅多に見られないような光景だった。

その隣でこちらはもはや地面に頭を擦り付ける勢いで土下座を繰り広げる勇逞さん。


「私の監督不行届です。もしあと一秒でも遅れていれば、大事故になるところでした。だから────どうかこの責任の所在は私だけに……っ、この腹を切って償います!!」

「切腹しようとしないでくださいっ!」


来光くんと慶賀くんに取り押さえてもらって、今にも腹を切ろうとする勇逞さんをみんなして宥める。

本来宥めてもらうのは私なはずなんだけど、と苦笑いをするしか無かった。