「部長、しっかりしてください。ほら、立って立って」
よ、と柵を乗り越えた嘉正くんは土の上に正座する部長さんの脇を支えて立ち上がらせる。
すん、と鼻をすすった部長さんは「すみません嘉正くん、生きていてごめんなさい」とまた謝った。
「えっとー……」
言葉に詰まっていると嘉正くんが肩を竦めて苦笑いを浮かべた。
「一応、流鏑馬部の部長。手綱握ると性格が変わるタイプなんだ」
ハンドルを握ると、みたいなノリでそう言った。
……そんなことってある?
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…