神楽殿への道のりを三人並んで歩いた。
「聖仁さんと慶賀くんたちは、お知り合いだったんですか?」
「うん。この界隈は狭いからね。歳もひとつしか離れてないし、初等部に入る前からよく顔を合わせることも多かったから」
へえ、と頷く。
確かに、人学年に六人しか学生が居ないような学校だと、自然とみんな知り合いになってしまうのかもしれない。
「あ、そうだ。慶賀くんが、今日おかしなこと言ってたんです」
そんな私の言葉に、うん?と首を傾げた。
「えっと、確か"聖人超人サイヤ人"……?」
私が言い切ると同時に、ぶほっと盛大に吹き出したのは瑞祥さんだった。
あはは、とお腹を抱えて盛大に笑う彼女に、聖仁さんは「笑うなよ、瑞祥」と項垂れる。
暫く発作のように笑った瑞祥さんはひいひい言いながら目尻の涙を拭った。
「それはこいつのあだ名だ、巫寿」
「あだ名?」
「普通、本庁が定める階位は、学期末の試験に合格すれば中等部卒業試験で出仕階四級、高等部一年で直階《ちょっかい》四級、二年で直階三級、三年で権正階《ごんせいかい》三級までは取れるんだよ」